今回と次回は、石鹸洗濯の具体的な手順やポイントをまとめていきたいと思います。

酸素系漂白剤を使って洗濯掃を掃除する

合成洗剤から石鹸洗濯に切り替える前に、一度、酸素系漂白剤を使って洗濯槽の掃除をします。
合成洗剤を使っていても、洗濯槽には汚れが溜まります。石鹸洗濯に切り替えるための下準備だと考えて、洗濯槽をリセットしましょう。酸素系漂白剤を使った洗濯槽の掃除方法は、過去記事にアップしてあります。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)による洗濯機洗濯槽の掃除の仕方と考察(その1) ☆彡 ナチュラルクリーニング

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石鹸洗濯の流れ

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まとめると、たったこれだけのことなのですが、いろいろなポイントがあります。

 

事前準備(石鹸洗剤の溶解、必要ならアルカリ助剤投入)

事前準備は、石鹸洗剤、無添加石鹸を使っている場合はアルカリ助剤を投入するまでの作業となります。
最初に注意したいのが、石鹸洗濯では、洗濯機の洗剤投入口は利用しないという原則があるという点です。
洗濯機の機種にも依存する話ですが、洗剤投入口は少量の水とともに洗剤を洗濯槽に流すものが多く、石鹸洗剤は少量の水で流そうとすると粘度が高くなってしまい、詰まりの原因になりやすいという問題があります。

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実際は、洗濯機の洗剤投入口に、石鹸洗剤を入れても問題ないという事例はいくらでもあります。
でも、すべての人が使っている洗濯機の種類は同じではないし、使っている洗剤の種類も違いますよね?
洗濯機の洗剤投入口は、一般的な洗濯用合成洗剤で使うこと前提に開発されたものですから、ナチュラルクリーングは、むしろ例外的な存在なんです。
石鹸洗剤を投入したことで、詰まってしまう人も出るリスクがある。そのため、『洗剤投入口を使わない』という解説が、万人で共有できる常識ということになるのです。

 

石鹸は水に溶けにくいため、事前にしっかり溶かす

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写真は、近年、登場した某ジェルボール型の洗濯用合成洗剤のパッケージの背面です。
石鹸洗濯のレビューなどに『石鹸は汚れが落ちない。合成洗剤のほうが落ちる』なんてことを書いている人がいるわけですが、実は、洗濯用合成洗剤のなかには成分の多くが純石鹸成分(脂肪酸ナトリウム)なんて製品も珍しくないわけです。

合成洗剤は、化学物質を使って、テキトーに洗濯しても、それなりの結果が得られるように開発製造されています。だから成分なんて気にしたことがない人が多いのかもしれませんが、石鹸は正しい方法で洗濯すれば、汚れ落ちが良い洗剤です。ただ、扱いが難しく、石鹸をきちんと理解して、正しい方法で、使えるか、どうかで、結果は、大きな個人差を生みます。
それが、石鹸洗濯において、『汚れが落ちる』という人間と、『汚れが落ちない』という人間が、混在する最大の理由なんですね(*^_^*)。

そもそも、石鹸は、水に溶けにくく、洗濯液が汚れ落としで酸性に傾くと、洗浄力が落ちます。洗浄力が落ちた石鹸洗剤は、汚れが落ちないだけでなく、逆に周囲のものに汚れを撒き散らす再汚染の原因にもなり、衣類の黄ばみといった問題にもつながります。つまり、そういうことが起こらないように、化学物質の力を使って、楽チンに洗濯できるようにしてくれているのが、合成洗剤なんです。

洗濯用合成洗剤のすべてが石鹸型というわけではありませんが、純石鹸を成分とする合成洗剤は、石鹸の水溶性を高めたり、洗濯液の酸性化、再汚染を抑えたりして、その扱いの難しさを緩和、テキトーに洗濯しても、それなりの結果が得られるようにしている。
でも、アトピーやアレルギーといった肌の問題で、合成洗剤が使えないのなら、楽チン部分の恩恵を受けられませんから、その分、手間をかける必要があります。
だから、石鹸洗濯では、元来、水に溶けにくい石鹸洗剤を、しっかりと水に溶くところから、手動でしっかりやらなければならないのですね(*^_^*)。
これは粉末石鹸洗剤だけでなく、液体石鹸洗剤でも同様じことです。

>>さまざまな洗濯用石鹸

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洗濯物を入れる前に、洗濯機で洗剤と湯水(20~40度)で攪拌し、洗剤をしっかり溶かす方法が主流

夏は水温20度前後の地域も多いですし、水に溶けやすい洗濯石鹸も出ているので、いつでも、必ずしもお湯でなければならないとわけではありませんが、水温が低い地域、水温が低くなる季節は、洗濯物を入れる前に、洗濯機に洗剤と湯水(20~40度ぐらい)を入れます。水位は低水位。高水位だと、洗濯の泡が立ちすぎて、斜めドラムなどでは、あとで、洗濯物が入れるのに不都合を生じます。
粉末なら10分前後、液体でも数分は攪拌して、洗剤をしっかり溶かし込みます。

もちろん、粉末に比べると、液体石鹸のほうが水に溶けやすいから攪拌時間が短いのですが、石鹸は液体でも、洗濯槽に溜まった水に馴染みにくいため、しっかり混ぜてあげないと石鹸液の塊っぽいものが水に浮いたような状態になってしまうのです。洗濯液に、均等に石鹸が溶け込んでいる状態を作ることが大切です。

 

機種によっては上手くいかないことも……

ただ、粉末にせよ、液体にせよ、低水位で攪拌しても、おそろしく泡立ってしまう石鹸洗剤もあります。そのため、洗濯機の機種によっては、注水が繰り返されて、10分攪拌したところには、当初よりも、ずっと石鹸の分量が少ない洗濯液が出来てしまうということもあり、こういう場合は、攪拌での溶かしこみは諦めて、手動でやるほうが良いでしょう。

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こちらはバケツにはった湯で粉末洗剤を溶かしたものです。

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こちらは、液体石鹸をペットボトルに入れた湯で溶かしたものです。

このような方法で、まず湯水に石鹸を溶かしこんだ石鹸液を作り、このあとで洗濯物を投入します。

 

アルカリ助剤について

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前回ご紹介したミヨシ『そよ風』粉末タイプのように、純石鹸成分のほか、あらかじめアルカリ助剤が配合されている石鹸洗剤は、自分でアルカリ助剤を加える必要はありません。

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ただ、液体タイプの石鹸洗剤はアルカリ助剤が入っていない製品がほとんど。その1でもその2でもとうじょうしたミヨシの『そよ風』でも液体タイプは、アルカリ助剤が入っていませんから、アルカリ助剤を自分で投入する必要があります。その1、その2でも登場した無添加石鹸のエスケーの『うるおい 洗濯石鹸』も、全成分が純石鹸の無添加石鹸の粉末洗剤もあり、こちらも、アルカリ助剤を自分で用意する必要があります。

 

炭酸ソーダ(炭酸塩・炭酸ナトリウム)をアルカリ助剤にする場合

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これは私が使っているネバ塾の炭酸ナトリウム(炭酸塩、炭酸ソーダ)のパッケージの説明書きです。
石鹸助剤として使う場合は、水30Lに対して小匙1~2杯という目安が書かれています。使う製品によっては、水30Lに対して大匙2杯程度と、もっと多い分量が目安になっていることもあります。
前回の記事に書きましたが、アルカリ助剤配合の石鹸洗剤も、アルカリ助剤の割合にバラつきがありますが、水質、洗濯物の汚れ具合も鑑みて、洗剤の量ともども調整する必要があります
ただ、炭酸ソーダが多すぎると、洗濯物がベタついた仕上がりになってしまうため、水の高度がそれほど高くなく、石鹸の泡立ちにくい環境でないのなら、これぐらいの量から試してみるのがよいかもしれません。
>>さまざまな炭酸ソーダ(炭酸塩・炭酸ナトリウム)

 

セスキ炭酸ソーダをアルカリ助剤にする場合

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これはトーヤクという会社のセスキ炭酸ソーダのパッケージの裏側です。
前回の記事にも書きましたが、炭酸ソーダやセスキ炭酸ソーダは、それ自体に衣類の汚れの多くを占める酸性汚れを落とすという作用があります。こと炭酸ソーダに比べて、アルカリ度が低くて扱いやすく、水溶性も非常に高いセスキ炭酸ソーダは、それだけで洗濯するアルカリウォッシュという方法に使われる頻度も高いです。これが、説明書きにある『軽い汚れの洗濯』ですね。ただ、洗浄力は石鹸のほうが上ですから、『ひどい汚れの洗濯』のときは、石鹸洗剤も併用します。

水30Lに対して、小さじ4~5杯とありますから、20gから25gということになりますが、この商品のAMAZONサイトの説明書きには、水30Lに対して大匙2杯(30g)とあります(^_^.)。
まあ、こちらも使用量はガイドライン、洗濯環境によって量は前後するので、許容範囲といえば許容範囲なのかもしれませんが、セスキ炭酸ソーダの場合、水30Lに対して、30g程度を目安としている製品が多いです。

>>さまざまなセスキ炭酸ソーダ

 

洗濯物の投入と、泡立ち確認(必要なら洗剤追加)

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洗濯液にしっかりと石鹸洗剤が溶け込んだら、洗濯物を洗濯槽に投入し、普通に洗濯を開始します。
石鹸洗剤を使っての洗濯は、石鹸の分量が少な過ぎると、汚れが落としに失敗するだけでなく、衣類の黄ばみや、再汚染といった問題も引き起こします。そのため、最低でも、石鹸洗剤のパッケージに書いている分量は守るようにして、泡立ちをバロメーターに、石鹸の分量から調整します。

洗濯物を入れ、攪拌したら、数分で泡立ちが消えてしまった

洗濯物を入れたあと、数分で泡立ちが消えてしまうような場合は、洗濯物の汚れに対して石鹸の分量が足りない可能性が高いです。そのため、バケツやペットボトルを使って手動で、湯水に溶いた石鹸液を追加します。ここで、石鹸が洗濯液に馴染まないと、意味がないので、石鹸は必ず溶いてから投入し、洗濯液に馴染ませてください。追加の洗剤は、粉末よりも、水に溶けやすい液体のほうが、お勧めです。
石鹸の分量を増やしているのに、泡立ちに変化ない場合は、アルカリ助剤の調整をしてみましょう。
次回は石鹸洗濯のstep2として、すすぎ、脱水についての記事をアップします。

 

 

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