今回は、石鹸洗濯のすすぎや脱水についてです。

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石鹸洗濯の流れまとめると、たったこれだけのことなのですが、前回の記事に書いたように、石鹸は扱いが難しい洗剤なので、すすぎや脱水についても、丁寧に見ていきたいと思います。

 

すすぎは、溜めすすぎ3分×2が標準的

日常的な石鹸洗濯では、2回の溜めすすぎをしている方が多いと思います。このうち、すすぎ効果も水温が高いほうが効果があるため、一回目の溜めすすぎは、洗濯時同様、20度から40度の湯水を使うのがお勧めです。
石鹸洗濯においては、溜めすすぎ、1回のすすぎ時間は3分、2回が標準的な設定となります。

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溜めすすぎと注水すすぎ

石鹸洗濯で、よく話題にのぼるのが、『溜めすすぎ』と『注水すすぎ』です。
溜めすすぎとは、水位が一定の量に達すると、注水が止まり、溜まった水で、すすぎを行う方法ですね。一方、注水すすぎは、水位が一定の量に達しても、注水が止まらず、余計な水から排出されて、すすぎを行う方法です。
我が家の機種では、洗濯機の『注水』設定をするか、しないかで、溜めすすぎと、注水すすぎを切り替えます。

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すすぎ1回という観点からいえば、注水すすぎのほうが、すすぎの効果は高いです。
ただ、使う水の分量を同じと仮定して、注水すすぎ1回と、1回あたりの水量がその半分で溜めすすぎを2回おこなった場合は、溜めすすぎ効果のほうが高いというのは、よく知られた洗濯の実験結果ですよね。

つまり、注水すすぎ6分を1回するよりも、溜めすぎぎ3分を2回やったほうが、すすぎ効果は高いということです。というのも、すすぎは最初のすすぎで、洗濯物の残留洗剤分が激減、2回目以降は、なだらかな濯ぎ効果しか現れないため、1回目のすすぎの水は、すべて捨てて、2回目のすすぎで、水を新しく入れたほうが、多くの水で1回のすすぎをするよりも、綺麗になるのです。

もちろん、注水すすぎ2回やってもいいのですが、20度から40度の湯水を使った場合、ためすすぎでも、注水すすぎでも、すすぎ効果に差ないのなら、水を余計に使う注水すすぎを基準にする必要はありません。そのため、溜めすすぎを基準に、すすぎが語られるのが一般的なんですね。
洗濯石鹸で、注水すすぎが禁止されているというわけではありませんが、1回3分、注水すすぎ2回と、溜めすすぎ2回では、前者のほうが余分に水を使うことになるため、溜めすすぎ2回という解説が優先されます。洗濯物の汚れ度合いがひどく、洗剤量を増やしたりして、すすぎ2回では不安なときは、溜めすすぎを3回にするとよいでしょう。

 

すすぎは短すぎるのも長すぎるのもよくない

すすぎは、後述するアルカリ焼けの問題もあるので、しっかり行わなければなりませんが、長ければよいというものでもありません。
水道水のなかに含まれる鉄イオンは、衣類の生地に付着し、衣類に残留した油汚れと結びつき、衣類の黄ばみの原因になります。
また、すすぎが長時間に及ぶということは、水道水の塩素が洗濯物に溜まりやすい環境を作ることになるので、洗濯物の色抜けの問題も生じます。
1回や2回で目に見える変化は起こらないかもしれませんが、洗濯は、日常的に繰り返されるものです。すすぎを必要以上に長くなってしまう方は、洗濯のたびに、すすぎを必要以上に長めにやってしまうため、衣類の黄ばみや色あせを早めてしまいやすいのです。

 

すすぎ時のクエン酸利用

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すすぎの最終段階、一般的な洗濯で柔軟剤を入れるタイミングでクエン酸を利用すると、衣類の黄ばみを抑えたり、天然の柔軟剤効果を得ることができます。クエン酸の代わりに、食用酢を使っても良いのですが、匂いが気になる方もいると思うので、柑橘類ベースのクエン酸のほうが使いやすいと思います。

 

アルカリ焼け防止のための中和作用

繊維が黄ばむ原因は、石鹸カス(金属石鹸)、皮脂汚れと結びつく水道水の鉄イオンなど複数の要因があるのですが、残留アルカリの問題もあります。
たとえば、ワイドハイターなど、アルカリ性の漂白剤を、家庭用洗濯機の漬け置き洗い、おうちクリーニグ的な衣類を強く揉まないコースで洗うと、すすぎ力も弱いため、洗剤が衣類に残りやすくなってしまい、衣類が黄ばんでしまうことがあります。

このように、残留したアルカリ剤が原因の黄ばみを、アルカリ焼けといい、攪拌力が弱いコースで、アルカリ剤を使う場合は、すすぎを1回増やすと良いと言われています。

石鹸洗濯の場合、石鹸も弱アリカリ性ですが、助剤として弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダ、アルカリ性の炭酸塩(炭酸ソーダ、炭酸ナトリウム)も使っています。すすぎで、しっかり落としていれば問題ないという方もいますが、仕上げに酸で中和しておくのに越したことはないとクエン酸を使う方も多く、私もその一人です。

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これは、株式会社地の塩社という会社のクエン酸(粉末タイプ)のパッケージの背面です。
十分にすすいだあと、40Lの水に対し、約5g(およそ小匙1杯)のクエン酸を使うと衣類の黄ばみを軽減できると書いてあります。

こと、季節の変化で、衣類を長期保管する前は、クエン酸しあげをしておくと、次のシーンズに衣類を引っ張り出したとき、衣類が黄ばんでいたというリスクを減らすことができるという内容のことも書いてあります。微量に残っていた残留アルカリを、酸で中和しておくことにより、黄ばみのリスクが減らせるからですね。
クエン酸も、さまざまな会社から販売されているので、自分が使う製品によって、パッケージの説明書きを確認するようにします。

 

洗濯用に特化された便利なクエン酸製品もある

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これは、私が愛用しているミヨシの『衣類のリンス』です。

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石鹸洗濯の仕上げ専用に作られた洗濯用のクエン酸製品、サラっとした液体なので、こちらは洗濯機の洗剤投入口にある柔軟剤口に入れても詰まりの心配もありません。
まあ、クエン酸を溶いていれたほうがコストパフォーマンスは良いわけですが、衣類のリンスを使っている方も多いです。というのも、洗濯の後半は、楽したい方が多いからだと思います(*^_^*)

前回の記事にも書きましたが、石鹸洗濯は、肌への影響を優先して、合成洗剤の便利な部分を実現してくれている化学薬品を避けた洗濯方法ですから、便利な部分の恩恵が受けられない分、こと洗濯に入る前や初期段階で、手間がかかります。後半は、ちょっと楽したいなあと、この製品を使い仕上げは洗濯機にお任せです(*^_^*)。

石鹸洗濯では、ミヨシのほか、パックスナチュロンの『衣類のリンス』を使っている方も多いです。
パックスナチュロンも、さまざまなナチュラル製品を販売しています。
製品自体の価格は、ミヨシの衣類のリンスのほうが安いですが、使用量を計算すると、パックスナチュロンの衣類のリンスのほうがコストパフォーマンスが良いようです。

>>さまざまな衣類のリンス商品

 

柔軟剤効果

クエン酸には、石鹸洗濯物をふんわりと仕上げる効果があります。
が、この辺りは、人によって感じ方が違うようです。
私は、斜めドラムの洗濯機を使っているため、タオルは日干しせず、洗濯機の乾燥機で仕上げます。というのも、斜めドラムは、乾燥機を使うこと前提の機種のため、時々、乾燥機をまわすことがカビ対策にもなるのです。
私の場合、日干しで乾かした衣類では、さほど柔軟剤効果は実感できないのですが、洗濯機の乾燥機を使ったときは、クエン酸を使ったほうが、ふんわりと手触りよく仕上がりますし、合成洗剤の柔軟剤と違い、クエン酸を主原料する衣類のリンスは、タオルの吸水力を下げることもないので、アルカリ焼け対策だけでなく、柔軟剤としても愛用しています。

 

脱水

経験がある方も多いと思いますが、脱水はかけすぎると皺になりやすく、脱水したあとはできるだけ迅速に干すことも大切です。
厚手の生地か、否かど、条件にも左右されますが、基本的に、化繊や混紡製品なら1分程度、綿製品なら3分程度でよいといわれています。また、脱水を複数回かける場合は、1度目の短い脱水後、衣類を取り出し、皺になりくいよう、衣類を畳んでから脱水をかけるのが良いとも言われてます。
すべての洗濯物でやるのは大変ですが、皺になりやすい洗濯物には、一手間くわえてあげると、皺の問題が軽減します。

まあ、脱水に関しては、石鹸洗濯云々というよりも、合成洗剤での洗濯でも同じことなんですが、私は、石鹸洗濯をはじめてから、合成洗剤を使っているときは、自分がいかにテキトーな洗濯をしていたのか思い知らされました(*^_^*)。

 

まとめ

合成洗剤での洗濯に比べると、最初はとっつきにくい石鹸洗濯ですが、慣れると、自分の環境に適した洗剤、アルカリ助剤の分量も掴めるようになりますし、最初は手間だと思っていたこともルーティング化されて、手間だとも思わなくなります。
私の場合、40過ぎてから肌の問題で、必要に迫られ、掃除、ひいては洗濯でナチュラルクリーングをはじめたので、合成洗剤に戻れないという背水の陣だったからなのかもしれませんが。
石鹸洗濯は、なかなか奥深いので、その1から、その4まで、丁寧に書き、長編になってしまいましたが、石鹸洗濯に関心を持つ、どなたかの参考になれば、幸いです。

 

 

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