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過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)
ナチュラルクリーニング実践編のトイレ掃除やフロ掃除、台所のまな板といった記事でも登場した過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)。
ナチュラルクリーニングでは、対象物を徹底洗浄したい場面で、使用頻度が高くなるナチュラル洗剤ですが、そうした場面で使われるのは、水に溶けると、活性酸素の働きで、発泡し、頑固な汚れを落としができます。洗濯槽の汚れ落としや、風呂釜の掃除でも、発泡している場面がありましたが、汚れに反応してち、40~50度のお湯と併用することで、働きが活性化するという特徴があります。
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ナチュラル洗剤自体が万能型で、さまざまな用途に使用されており、過炭酸ナトリウムも、キッチン用品・家電、掃除、洗濯など、用途は幅広いですが、ナチュラル洗剤も、得意、不得意があり、使用方法によっては、対象物を傷めてしまうことになりますから、使用上の注意にも留意しなければなりません。
ここで、酸素系漂白剤の予備知識と、使ってはいけない対象物などについて触れておきたいと思います。
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ナチュラルクリーニングで使われる酸素系漂白剤の分類種類
①過炭酸ナトリウム(粉末)
過炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と、過炭酸水素を配合した物質です。一般的に『酸素系漂白剤』という名前で店頭販売されているのが、過炭酸ナトリウムになります。
補足:炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムに含まれる炭酸ナトリウムも、セスキ炭酸ソーダといったナチュラル洗剤、いわゆるアルカリ剤のひとつです。ただ、強いアルカリ性ですから、強い汚れ落とし効果を発揮する反面、ゴム手袋必須、素手で触れるのは、かなりマズいです。また、ゴム手袋の傷みが早いとも言われ、用途によっては対象物を傷めかねません。
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そういう意味では、扱いにくい物質であるため、ナチュラルクリーニングでは、あまり炭酸ナトリウムを使ったクリーニング方法は紹介されず、過炭酸ナトリウムや、セスキ炭酸ソーダといった洗剤を使ったクリーニング方法が主流です。
②過炭酸水素(液体)
酸素系漂白剤として、分類されるのは、過炭酸ナトリウムのほかに、過炭酸水素があります。オキシドール(オキシフル)の原液といったほうがわかりやすいと思います。傷口の消毒薬のほか、洋服のしみ取りや、漂白にも使われます。世代が上がると、髪の毛の脱色剤だと思う方もいるかもしれません(*^_^*)。
こちらは、アルカリ剤ではなく、弱酸性です。そのため、色柄物にも使える、毛絹にも使えるといった過炭酸ナトリウムとは違った特徴があります。
また、こちらは、分類としては酸素系漂白剤ですが、『酸素系漂白剤』という名前で販売されている商品ではありません。
蛇足ですが、オキシドール(液性の過酸化水素)は数%に薄められていますが、原液の過酸化水素は劇物なので、オキシドールといえども、取り扱いには注意が必要です。
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豆知識;ナチュラル洗剤でも手あれする人は珍しくない
他の記事でも、ちょいちょい書いているのですが、ナチュラル洗剤が人体や環境に優しいといっても、害がないことと、手荒れないことは別次元の話で、手肌に良い物質からできているわけではないので、手荒れする人は、フツーに手荒れします。
たとえば、食用酢に手をつけ放しにすることを想像すれば、食用であり、人体に無害だということははっきりしていても、自分の手は無事ではいられる自信がないと思う方も、多いのではないのでしょうか。
食品でも、アレルギーはありますし、ナチュラル洗剤といっても、体質に合う、合わないはあります。私が愛用しているバイオ洗剤は、手肌に無害などころか、保湿効果もありますが、米ヌカや麦にアレルギーがある方は使えません。
そのため、どんな洗剤を使うにせよ、ナチュラルクリーニングだからと甘く考えず、『ん?これはちょっと』と思ったら、『これは、体に害がないのだから、大丈夫だ』と安易に考えないほうが良いです。無理して使おうとせず、ゴム手袋の着用したり、使用を中止して、代替品を探すようにしましょう。
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)が使用できないもの
過炭酸ナトリウムを使うべきではないものを、まとめてみました。
過炭酸ナトリウムを使ったナチュラルクリーニグは、最後にすすぎ洗いが必須となりますから、水洗いできないものは、対象になりません。
また、水洗い、石鹸を使った洗浄で色落ちするのも、色が抜けてしまうので、使えません。
色柄ものに使えないという意味ではありません。色柄ものにも使えますが、水や通常の洗たくできないものは、過炭酸ナトリウムを使っても色落ちするという意味です。
また、弱アルカリ性ですから、アルカリ剤で腐敗するものにも使えません。
ウールやシルクのようなタンパク繊維は、アルカリ剤に弱いという特徴があります。無添加洗剤も弱アルカリ性ですが、pH10程度が目安になるといわれ、過酸化ナトリウム製品のなかには、これを上まわるものがあります。そのため、ウールやシルクには使わないという表記が一般的です。
くわえて、タンパク汚れは落ちても、貝殻のようなタンパク質を含む天然素材にも影響を与えるので、注意が必要です。
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