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鏡のうろこ汚れ
基本編の記事でご紹介した通り、水垢汚れでも、ケイ酸質の汚れ(水分が蒸発するときに残ったケイ素が硬化した汚れ)は、一般的な家庭用洗剤で中和して落とすことができないため、物理的に擦って落とすしかありません。今回ご紹介するのは、基本編では落ちなかった硬化が進んだ硬いウロコ汚れを対象していますが、その分、使う研磨材も強力で、傷つくリスクも覚悟の上でやるような方法です。
基本編でご紹介した方法を試した後に試す方法となりますので、基本編をごらんになっていない方は、まずは基本編に目を通してください。
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ダイヤモンドパッド
現在、硬化が進んだ鏡のウロコ汚れを落とすために、使用されている研磨材のひとつに、ダイヤモンドパッドがあります。
鏡用ダイヤモンドパッドは、人工ダイヤモンドを鏡・ガラス用に加工した研磨材です。クッション効果のために、ウレタンの上に、人工ダイヤモンドを配置、鏡にキズがつきにくくする工夫をこらし、水垢掃除用に、掃除対象物別の商品が売られています。
使用方法・注意点
使用方法は、どの商品も類似しています。
『現在、鏡のウロコ汚れ取りでは、一番強力だ』といった記事が多いうえ、アマゾンや楽天といったサイトからも簡単に購入できる製品が増えたため、事前に、ウロコ掃除の仕方を調べず、いきなり、この商品を使って『鏡が傷ついた』と嘆くレビューを多く見かけます。
前の記事にも書きましたが、ケイ酸質のウロコ汚れは、時の経過とともに硬化します。そのため、強力なウロコ取りの道具を、新築の家の浴室の鏡掃除に使うような方法はお勧めできません。そのような状況なら、他の方法でも、ウロコ汚れは落とせます。
まずは、鏡が極力傷つかない方法を繰り返し試し、それでもダメなら、今回ご紹介しているような、より強力な方法を試しましょう。
ウロコを落とす場所によっては、ダイヤモンドパッドは使いにくい
ただ、ダイヤモンドパッドは厚みがあるため、鏡の留め金部分など、場所によっては、使いにくいというデメリットもあります。そこで、耐水サンドペーパーを使うという方法もあります。
部分的には耐水サンドペーパーの活用も有効
一般的なサンドペーパーには、下地が耐水ではない紙や布で出来ています。そのため、水をつけると下地がふやけ、水をつけて擦ることができません。下地がふやけると、サンド部分が剥離してしまうため、水まわりでの使用に向いていないのです。
耐水サンドペーパーは下地も、砂を接着している接着剤も耐水性があるものを使っているため、トイレの便器の黄ばみを研磨して落とす際などに使われています。
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豆知識;耐水サンドペーパーは水に濡らして使う
乾いた状態でも使えないことはありませんが、元来、水まわりで使うよう開発されたものです。砂と砂のキメが細かく、水に濡らして使うことで、削り屑が水で流されることを想定しているため、乾燥した状態で使うと、目詰まりしやすくなります。
注意にあるとおり、本来、鏡に使うものではありません。ただ、掃除本のなかには、鏡掃除アイテムとして紹介しているものもあり、実際には、鏡のウロコ取りに使用している人も珍しくありません。
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耐水サンドページの鏡清掃の参考ページは52Pです |
鏡全体の研磨なら、まずは専用材であるダイヤモンドパッドを試したほうが良いと思いますが、ダイヤモンドパッドが使いにくい部分的な耐水ペーパーを使ってもいいでしょう。
以下、私が耐水サンドペーパーを使った実例です。
実例:我が家の留め金のウロコ落とし
さて、我が家の浴室の鏡の留め金まわりには、見て見ぬふりをしてきたウロコ汚れがあります(~_~)。
もちろん、基本編でご紹介したウロコ汚れの専用剤とスポンジでは、落ちなくなかった汚れです。
写真は接写しているので、汚れが目立ちますが、洗い場に座った距離からの肉眼では、ほとんど気にならないレベル。
ガリガリ削れば、落ちることは分かっていたのですが、最後にコーティング剤で仕上げなければならないため、ついつい放置してしまいました。この部分掃除で使うコーティング剤は1滴程度のものですから、(もったいないし、目立たないし、まあいいか……)と見て見ぬフリをしてきたわけです(^_^;)
今回、記事をアップするにあたり、ようやく重い腰をあげ、ウロコ取りに臨むことにしました。この減りの分部は、ダイヤモンドパッドでは非常にやりにくいため、耐水サンドペーパーを使います。汚れを擦りとった後は、私は、コーティング剤を使いました。
コーティング剤を使った理由
私が使ったコーティング剤は、薬剤のほか、手袋とコーティング剤を塗るための専用布がついています。鏡面専用の製品ではないのは、鏡面には1滴しか使わないし、もったいないので、別の用途でも使おうと考えたからです。それでも風呂の浴槽にも使えるものなので、耐水性も高く、役目を果たしてくれました。
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ダイヤモンドパッドや耐水サンドペーパーを使って、ガリガリやれば、鏡表面は、非常に小さな凹凸が出来ます。仮に、肉眼ではそれほど目立たない傷であっても、凹凸部分に汚れが溜まりやすくなりますから、今後の掃除のことを考えると、凹凸を埋め、皮膜を作ってくれるコーティング剤を塗布しておくことに越したことはないのです。わずかな部分、しょっちゅう、触る箇所でもないので、代用品でも問題ありませんが、鏡全体を仕上げるような場合は、鏡面用のコーティング剤を使ってください。
これまた接写しているので、まだ、ちょっと汚れが残っていましたね。
写真を撮るまで、分かりませんでした(^_^;)。肉眼では、顔を近づくけても、分からないレベルです。
私は、この些細な汚れに拘って、鏡の傷を深くする必要性はないと判断、『良し』としました。実際に、ガリガリやっているわけですから、多少の妥協も必要です。
洗い場に座って鏡を眺めたら、まったく分からない満足のいく出来です。
うろこ汚れ防止:水切りワイパー常備のススメ
さて、部分的には、目をつぶってウロコ汚れを残していましたが、私は、ここ何年も鏡面の広い部分の新しいウロコ汚れは、見ていません。というのも、何年も前に、一度、鏡全体のウロコ掃除をしていから、我が家では風呂場に水切りワイパーを常備して、鏡面に水が残らないようにしているためです。
前回の記事にも書きましたが、鏡は消耗品です。使い続けていれば、いつかは交換しなければならない日がきます。
経年劣化は食い止められず、極力、長持ちさせたいのなら、ウロコ汚れ取りの回数も減らしていかなくてはなりません。そのため、日々のメンテナンスが、ウロコ汚れ防止、ひいては鏡の耐久性を高めます。
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