そもそも、サイクロン掃除機とは、モーターで風を巻き起こしてゴミや埃を吸引、掃除機内部で空気とゴミの類を分離して、フィルターを通して排気するという仕組みで動いています。

前回の記事は、掃除機内部で空気とゴミの類を分離するサイクロン技術によるダイソンの掃除機のシリーズ分類について書きました。

ダイソン

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出典>>ダイソン公式サイト、トップページ スライダー2枚目(2016年11月現在)

ダイソンの製品は、掃除機、冷暖房機能を持つ送風機、それに空気清浄機能を備えた空調家電や、ドライヤーなど、風を巻き起こすモーターを搭載した電化製品が多いことがわかります。

ダイソンのサイクロン技術は、掃除機特有の技術ですが、ダイソンデジタルモーター(DDM)は、掃除機に限った技術ではなく、幅広いダイソン製品に利用されている技術です。

ちなみに、ダイソンデジタルモーターの最新、DDM V9が搭載されているのは、このヘアドレイヤーで、掃除機に搭載された、もっとも新しいダイソンデジタルモーターは、DDM V8です。

ダイソンデジタルモーター(DDM)

ダイソン animal+fluffy

出典>>ダイソン公式サイト キャニスター型『Dyson Ball Animal+Fluffy』

上記は、2016年10月に発売となり、私が最近購入したのダイソンのキャニスター型掃除機『Dyson Ball Animal+Fluffy』のテクノロージを紹介するWebサイトです。

DDMには、バージョンがあり、単に新しいものが新製品に使われているというわけではなく、製品の用途によって、いくつかのバージョンが使い分けられています
また、バージョンによって、モーターのサイズや形状も違っています。

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DDMはダイソンが開発しているDC(直流)モーターの総称

モーターを動かすためには電流が必要ですが、電流を供給するのに交流(AC)で動くモーターと、直流(DC)で動くモーターがあります。

たとえば、昔ながらの扇風機はACモーターで動く家電です。
ACモーターは構造がシンプル。人が涼を感じるための風を送るための家電ですから、1分間に何万回もモーターが高速回転する必要はありません。

でも近年は、DCモーターの扇風機も登場しました。
DCモーターの扇風機は、ACモーターに比べて高速回転可能で、モーターをプログラムで制御します。
単に、風量調整が細かいという話ではなく、たとえば、消費電力を細かくコントロールできれば省エネとなり、ランニングコストの電気代を節約できるなど、ACモーターの扇風機には無い機能も実現できるのです。

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もちろん、掃除機や空気清浄器は、微細な塵も吸い込むような家電ですから、吸引力を高めたり、ゴミや塵、埃を分離するサイクロン技術のために巻き起こす風もパワーが必要。扇風機と比にならないほど高速回転するモーターが必要です。

ダイソンが開発しているモーターは、一般的には『ブレシレス(DC)モーター』と呼ばれる種類のモーターで、このモーターの技術自体は、ダイソンが特別に開発したものではありません。
ただ、ダイソンは、その高速モーターを制御するプログラムに拘りがあり、ダイソンは独自開発プログラムのほうに比重を置いて、自社製のブレシレスモーターに、『DDM(ダイソン・デジタル・モーター)』と名前をつけて呼んでいます。

ダイソン掃除機に搭載されているダイソンデジタルモーターの種類

DDM V2

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出典>>ダイソン公式サイトDC45モーターヘッドページ

過去のドライヤー製品や、DC35やDC45といったコードレス掃除機に搭載するために開発されたモーターです。
『ダイソンデジタルモーター(DDM)』と名前がつけられ、製品化機種に搭載された最初のモーターでもあります。

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小型の製品、あるいは本体の軽量化のため小型が急務のコードレス掃除機用に開発されたモーターで、ロボット型掃除機Dyson360Eyeに搭載されたのも、DDM V2です。

ただ、Dyson360Eyeの毎分最大回転数は、カタログによると83000回転。人が手動で使う掃除機よりも回転数は少なめです。

DDM V4

DDM V4

出典>>ダイソン公式サイト『Dyson Ball Fluffy+』ページ

DMM V4はDC63シリーズや、DysonBallシリーズなどコード付き掃除機に搭載されているDDM
DDM V2、DDM V6、DDM V8といった小型必須のコードレス製品用に開発されたモーターに比べるとサイズも大きいです。コードレスのようにバッテリ駆動ではなく、電源に心配がありませんから、コードレスに比べると、大きめのモーターが巻き起こす風にもパワーあります。

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ダイソンball

DysonBallシリーズの現在(2016年)最新モデル『DysonBall Animal + Fluffy』も、同時期発売のアップライト型『Dyson Small Ball』もDDM V4搭載であり、今のところ、コードレス用に開発されたDDM V6やDDM V8を搭載したコード付き掃除機はありません。

なお、キャニスター型のダイソンBallシリーズの掃除機の詳細は過去記事にあるので、こちらのシリーズの掃除機に興味がある方は過去記事をご覧ください。

ダイソンBall 、『Fluffy』、『Animalpro』『Motorhead』、『Turbinehead』の違いについて☆彡ダイソンのキャニスター型掃除機最新モデル『Dyson Ball Animal+Fluffy』を買いました(第1回)

DDM V6

DDm V6

出典>> ダイソン公式サイト Dyson V6 Fluffyproページ

DC62、DC74、V6シリーズのスティック型や、ハンディ型のコードレス掃除機で使われているモーターです。
コード付き掃除機に搭載されているDDM 4のパワフルなモーターとは比較になりませんが、DDM V2の改良型で、それに比べるとモーター出力は1.5倍となりました。

スティック型のコードレス掃除機は、DysonV8シリーズが登場していますが、ダイソンのハンディ型の主力製品には、まだV8シリーズは出ていないため、DDM V6を搭載したV 6シリーズが最新シリーズとなります。

DDM V8

ddm v8

出典>>ダイソン公式サイト『DysonV8 Abusolute』ページ

DDM V6の後継として、最新のスティック型コードレス掃除機に搭載されているモーターです。

このDDMを搭載した掃除機の公式ページで、製品特徴の『デイソンデジタルモーターV8』の『もっと読む』をクリックすると、これまで紹介してきたDDMのバージョンと説明がある図が確認できるのですが、現在(2016年11月)、ここをクリックすると、お隣のサイクロン技術と同じボックスが表示されてしまいます(^_^;)。

ダイソンV8

現在はスティック型コードレス掃除機のみに搭載されており、ハンディ型のコードレス掃除機には、今現在、V8シリーズはありません。

最大の吸引率が15%向上しています。モーターの回転数自体は、V6シリーズと同じですが、バッテリ駆動環境で、より効率よく、モーターが働きます。
V8シリーズはバッテリ自体にも改良が加えられているので、通常モードの本体稼働時間が、V6シリーズの20分から、40分と倍に伸びました。

参考:V8シリーズのV6シリーズからの改良点

V8シリーズのV6シリーズからの改良点は、過去に詳しく書いた記事があるので、興味がある方は、そちらをご覧ください。

ダイソンコードレス掃除機V6シリーズと、V8シリーズは何が違うのか? ☆彡 コードレス掃除機ダイソンの最新モデル V8シリーズAbsoluteを買いました(第1回)

掃除機の性能をはかるのに吸込仕事率はあてにならない

掃除機の性能をはかるのに、JIS規格で定められている『吸込仕事率』という指標があります。
吸込仕事率は、掃除機のモーターの性能が大きく関わった数値なのですが、ダイソンの掃除機は、国産有名家電メーカーの掃除機に比べ、この数値が低いことで知られています。

私は、もともと電化製品は、スタイリッシュさよりも、機能を重視するほう、しかも日の丸メーカー万歳という性質ですが、十数年前に知名度と評価が上がりだしたダイソンの掃除機の購入を検討したことがありました。

ただ、この吸込仕事率が原因で、大きな勘違いしていまい、アンチDyson街道を突き進んでしまうことになったのです(^_^;)

十数年前のDysonの掃除機は、今ほど良い製品でなかったことも確かなのですが、それは他の家電製品でも同じことです。我が家には、十年余り前は、50万円以上したシャープ亀山モデルの42型の液晶テレビがありますが、HDMI端子もついていない代物です、はい。。。。

私の奥様歴が浅く、家事スキルのなかでも、掃除スキルが低かったということも原因ですが、過去の私のように、吸込仕事率の数値を見て、ダイソンを叩いている人は、良い掃除機とは、どういう掃除機なのかが、まったく理解できていません。

記事が長くなるので、今回は、ダイソンのモーターの話だけに留めましたが、次回は、なぜ、吸込仕事率が低いDysonの掃除機が、人気があるのかという理由を書きたいと思います。
吸込仕事率は、エアコンがない家庭も珍しくない時代、昔ながらの扇風機全盛だった時代に、当時の掃除機の性能を測る指標としては意味があるものだったかもしれませんが、今の時代の掃除機の性能を測る指標としては意味がありません。

ダイソンの掃除機が吸込仕事率が低いのに、現実には高いと評価する人が多いのは、掃除機全体の性能には、ヘッドが大きく関係しています。そのため、こちらの話は、次回、ヘッドからみた掃除機の比較のほうで、お話することにします。

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