植物としてのクローブは高さ10mから15mほどの常緑樹。蕾から精油したり、蕾をドライハーブとして利用したりします。ハーブとしてのクローブは、インドカレーのスパイスとしても有名ですね。

ドライクローブ

古くから中国では、歯痛をやわらげるため利用されたり、中世の欧州では、ペスト予防のポマンダーに使われたりしたことでも知られ、防虫、抗菌作用、鎮痛作用などにも優れています。

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クローブの蕾から抽出された精油は『クローブバッド』、クローブの葉から抽出された精油は『クローブリーフ』と呼ばれますが、一般的に、単に『クローブ』といった場合は、クローブバッドをさします。

 

クローブ(クローブバッド)の概要

 

クローブ特徴

クローブバッドは肌への刺激がつよいため、肌の手入れ的なフェイシャルスキンケアむきではない精油です。
たとえば唐辛子を肌に塗りこんだら、大惨事になってしまうのと同じで、植物性の食品だから肌にも優しいとは限りません。

含まれる成分のオイゲノール皮膚刺激でIFRA(後述)の規制があるので、マッサージ用途などで肌に使われることがあったとしても、わずかな量にとどめます。

一方で、クローブは、オレンジスイートやグレープフルーツ筆頭に、掃除用途でも多用される柑橘系の精油との香りの相性もよいです。また、クローブは高い殺菌抗菌効果に加え、カビを抑える働きも強いので、掃除では多用される精油のひとつです。

また、ドライハーブとして料理のスパイスにもなる食用品ですから、香水の原料や、リキュール類の香りつけなどにも利用されています。

>>さまざまなクローブバッド精油

 

参考;IFRA(International Fragrance Association)

IFRAの目的は消費者や環境に対し安全性の高い製品供給のガイドラインを定めています。
国際基準の香粧品香料素材(フレグランス素材)について、世界的な規模でヒト、環境に対する安全性を自主規制(実施要綱の制定:香料の使用基準・使用制限、使用禁止など)を定める団体で各国、地域を代表する協会(日本、アメリカ、欧州など)から構成されています。

 

クローブ(クローブバッド)の主な成分から見る作用

成分比率について

成分比率は、書籍によって違いがありますが、ここで表示している成分割合は、参考文献『香りの精油事典 太田奈月著 監修ロジャー・ルッツ 小平悦子』に準拠しています。

>>参考文献『香りの精油事典 太田奈月著 監修ロジャー・ルッツ 小平悦子』

 

クローブ成分

心身への作用

クローブの成分効能の特徴は、80%以上を締めるオイノゲノールによるものです。
オイゲノールは刺激が強いため、効能と表裏一体の注意点がある精油です。たとえば、分娩促進作用は、なかなか来ない生理や、出産時は活躍しますが、妊娠中は絶対禁忌となります。

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肩こりや腰痛では、疼痛部にあたる温かい蒸しタオルを作る利用して、湿布のように使うと、局部麻酔作用、鎮痛や消炎作用により、痛みを緩和することができます。歯痛の緩和も、局部麻酔作用によるものです。
香りに癖があるので、オレンジスイート、グレープフルーツ、レモンといった柑橘系の精油や、ユーカリとのブレンドで使われることが多く、風邪防止のルームスプレーにも用いられます。

 

細菌やウィルス、虫などに対する作用

和名ではチョウジというグローブは、殺菌抗菌効果も高く、昔は、日本刀の手入れ、錆び防止にも使われていたといいます。消毒殺菌、抗菌抗真菌、抗ウィルス、防虫効果もあるため、掃除用途では、クローブを用いて、防虫剤や、防真菌剤も自家製されます。ただ、肌への刺激が強いので、人に向けてスプレーするタイプの虫除けには使わないのが無難です。

 

おもな使用法

クローブ精油

他の精油とブレンドして微量を使うのであれば、芳香浴、アロマバス、マッサージなどにも用いられます。
ただ、除用途のでの使用頻度が高く、こと梅雨のシーズンに活躍する防虫剤、抗カビ剤を自家製するときは、欠かせない精油です。

 

注意事項

●皮膚への刺激が強いので取り扱いに注意する
●妊娠中の使用は避ける
●香りも刺激も強いので、使用量に注意する

参考資料など

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