植物としてのユーカリも数多くの種類があり、どんな種類のユーカリから精製される精油かによって種類が違っています。
ユーカリを食べているイメージが強いコアラも、どんな種類のユーカリも食べるというわけではなく、生息地に生えている十数種ほどのユーカリの新芽に限られているといいます。

ユーカリとコアラ

植物としての学名がEucalyptus globulus(ユーカリプタス・グロブルス)という種類のユーカリは、1972年にタスマニアで発見された常緑高木。感染症が発生しやすい湿地帯を乾燥させ、浄化する働きが認められています。

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今回は、このユーカリから精製されるユーカリ精油です。単に精油の種類が『ユーカリ』と表記されている場合、ユーカリプタス・グロブルスから精製された精油をさしています。

同じフトモモ科のティーツリーと似た成分を持ち、似たような作用がありますが、作用の強さによって使い分けたり、ブレンドしたりします。

 

ユーカリ(精油、エッセンシャルオイル)

ユーカリの特徴

Eucalyptus globulusから抽出されたユーカリ油は、イギリスでは医薬品として認められていることでも知られていますね。

気道の関係の病気などの薬剤として利用されるのは、去痰作用、分泌腺の機能亢進、鎮痙効果などの機能があるからです。

また、抗菌、抗ウィルス作用なども高いことから、ティーツリーと並んで、掃除でも、よく使われる樹木系の精油です。初心者のアロマセットなどにも付属することが多く、コスト的にも手に入れやすい精油のひとつです。

>>さまざまなユーカリ(グロブルス)精油

 

ユーカリ精油の主要な成分

成分比率は、書籍によって違いがありますが、ユーカリの場合、1,8-シネオールの割合を7割程度としている書籍が多いと思います。

私が表示している成分割合は、参考文献『カラーグラフで読む精油の機能と効用:三上杏平著』に準拠しています。

この本の成分比率自体、欧米で閲覧される資料文献、専門辞典を参考に、割合を算出しているようです。

>>参考資料『カラーグラフで読む聖油の機能と効用』三上杏平著

 

書籍によっても、何を根拠に割合を算出しているか違いがあり、アロマの場合は、中心地である欧米の書籍が参照されるケースも珍しくありません。そのため、国内向けの書籍では、精油の種類により、おもな成分の比率がプラスマイナス10ぐらいの割合の誤差が生じる場合があることを知っておくと良いと思います。ただ、割合の細かな数値は違っても、構成される主成分に違いはありません。

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成分の多くを酸化類の1,8-シネオールが占めています。
作用をみると、喉や気管支、鼻づまりなどの場面で、ユーカリが使われる理由も納得ですね(*^_^*)。

ティーツリーにも1,8-シネオールが含まれていますが5%以下と割合が低いですから、たとえば去痰作用(タンを出しやすくする作用)や、鼻づまりの改善などを目的とするのなら、ティーツリーよりも、ユーカリのほが利があることになります。

 

ユーカリのおもな作用分類

ティーツリーとユーカリ

アロマテラピー検定準拠の作用分類では、精油の作用は『心身への作用』、『皮膚への作用』、『細菌やウィルス、虫などに対する作用』、『人体へのマイナス作用』の4つに大別できますが、ユーカリ精油でクローズアップされるのは、『心身への作用』と『細菌やウィルス、虫などに対する作用』、人体へのマイナス作用』になります。

心身への作用

ユーカリの作用1

成分のモノペルテン炭化水素類には鎮静作用がありますが、成分全体としては割合が低く、成分比率によっては、2割もないものもありますから、ユーカリ精油の作用は、1,8-シネオールを中心に整理すると良いでしょう。

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細菌やウィルス、虫などに対する作用

1-6ユーカリの作用

ユーカリは害虫に対する作用もありますが、他に害虫に対して強い作用を発揮する精油があり、虫よけなどで、他の精油の作用や、香りのバランスなど関係から、ユーカリがプラスされることはあっても、ユーカリ精油を単体で使っても、虫よけ効果は高くありません。

そのため、ここでは、虫よけ作用をおもな作用としてはマークしませんでした。ただ、そうは言っても、虫よけ作用があるため、虫よけを前提に、複数種の精油をブレンドするのなら、ユーカリは使い勝手がよい精油だともいえます。

ユーカリ単独ではなく、他の精油との配合ですが、ユーカリが混じっている虫よけアロマスプレーが多いのも、このためです。

>>ユーカリを含んだ防虫スプレー例

 

人体へのマイナス作用

1-7ユーカリのマイナス作用

1,8-シネオールが高い割合で含まれているため、肌への刺激が強くなります。そのため、高濃度で使用すると皮膚への刺激が強くなるため、原液といった濃度の高い状態で触れるのは避けるようにします。
薄めた後も、肌に触れる使用方法の場合は、パッチテストを行うのを忘れないでください。

 

おもな使用法

アロババス、トリートメント、スキンケア、ヘケア、芳香、掃除、防虫など、さまざまな用途に使われています。

注意事項

●肌への刺激に注意を払う
●妊娠中は刺激しない
●精油としては乳幼児には使わない

補足;
市販のユーカリ成分配合製品は、ユーカリ成分を精油として使っているとは限らないので、子供向けの虫除け製品のなかには、ユーカリ成分配合のものもあります。製品の取り扱いは、製品の説明に従ってください。

 

参考書籍など

カラーグラフで読む精油の機能と効用―エッセンシャルオイルの作用と安全性を図解

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