青汁の三大原材料のうち、前回はケール、前々回は大麦若葉を使った青汁の特徴を書きました。
第3回の今回は、明日葉を原材料に使った青汁についてです。

明日葉を使った青汁は、ケール、大麦若葉とあわせて使われることが多く、両者には含まれていない成分カルコンの注目度が高いといえます。

ケールや大麦若葉をメインにした青汁であっても、両者にはない特徴を持つ明日葉をくわえることで、青汁を摂取するメリットが増すため、明日葉だけが使われた青汁製品というよりも、他の野菜と組み合わせた青汁製品が多いのも特徴のひとつです。

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明日葉

明日葉

八丈島が原産と言われる明日葉は、江戸時代の文献にも『アシタグサ』、『アシタボ』、『トカンソウ』などの名で登場する植物で、伊豆諸島、伊豆半島、房総半島、紀伊半島の一部に自生しています。

雨が多く温暖な気候と適度な日陰など、明日葉の生育には、いくつかの条件があり、乾燥した風土の土地ではうまく育ちません。

一方で、生息地からも想像がつくように、台風の影響を受けやすい地域でも逞しく育ち、今日摘んでも明日には葉が出ると捉えられるほど、生命力溢れる植物でもあります。

明日葉に含まれる代表的な成分と期待される効果

【ビタミン】
明日葉には、ビタミンCをはじめ数種類のビタミンが含まれていますが、ミネラルの一種コバルトを含むB12は、赤血球の造成に関わるため、『造血ビタミン』とも呼ばれています。
植物のなかでは明日葉にしか含まれていないと言われる希少ビタミンです。
また、新陳代謝に欠かせないビタミンB2の含有量が高いことでも知られています。

【βカロテン】
βカロテンはケールや大麦若葉よりも含有量が高いといわれています。

大麦若葉やケールにも含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換され、抗ウィルス力を高めたり、胃腸の粘膜を保ったり、動脈硬化の予防や抗発ガン作用など、幅広い効果が期待できる成分です。
また、ビタミンAとして使われなかった分は貯蔵され、活性酸素を抑える抗酸化物質として機能します。
抗酸化に関わるSOD酵素は、大麦若葉よりは少ないですが、ケールよりは豊富です。
抗酸化に関しては、大麦若葉について書いた、こちらの過去記事をごらんください。

【カリウム】
明日葉には、カリウムも豊富に含まれています。カリウムには、利尿作用のほか、細胞の浸透圧を調整して、体内の水分調整をするという働きがあります。
むくみの原因のなかには、体内の水分調整に問題がある『水ぶとり』状態も含まれますから、むくみの改善に繋がります。
またカリウムは、余計なナトリウムを排出する作用があり、高血圧の予防にもなります。

【カルコン】
さらに明日葉には、ケールや大麦若葉にはないカルコンが含有されているのが最大の特徴であり、これが、血糖値抑制や、むくみや肥満対策に効果があると注目されています。

そのため、メタボを含めた生活習慣病対策、体内の水分や老廃物、脂肪の代謝などが要因で起きるむくみや、セルライト対策としても、明日葉を原材料に含む青汁を飲むが効果的だと言われ、原材料に明日葉を含む青汁は人気です。

カルコンの補足

カルコン

カルコンは、明日葉の茎を折った時に流れでる黄色い液の色素、フラボノイドです。
フラボノイドとは、植物に含まれている色素、苦味、辛味成分であり、ポリフェノール一種です。
フラボノイドは種類によって特徴や作用が異なりますが、多くが強力な抗酸化作用を持っており、サプリメントなどの健康食品の原材料に使われています。

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明日葉が含有するフラボノイドがカルコン。

カルコンは複数の成分からなりますが、これらのなかには、明日葉固有の成分もあり、明日葉固有のカルコン、4-ヒドロキシデリシンとキサントアゲロールには、ヒトの試験において、インスリン作用があることが確認され、血糖値低下作用があることが分かっています。

血糖値

また、体内で過剰になったブドウ糖(グルコース)は、酵素の働きによりソルビトールという物質に変わるのですが、このソルビトールの問題点にも有効な効果が期待できます。
ソルビトールは、むくみや、糖尿病由来の神経障害の原因になるのですが、カルコンにはブドウ糖がソルビトールに変化するのに必要なアルドース還元酵素の働きを阻害するという作用があります。

つまり、明日葉を摂取すると、血糖値を抑えたり、体内のソルビドール生成が抑えられたりするため、むくみや、糖尿病由来の神経障害の改善効果が期待できるのです。

また、明日葉固有のカルコンである4-ヒドロキシデリシンにラットに投与した結果、肝臓の中性脂肪が減少すると同時に、善玉コレスロールが上昇、脂質の代謝がよくなることで、余分な脂肪が効率よく消費されるようになり、肥満の予防に繋がったという研究が発表されています。

ラット実験ですが、肥満防止に効果あると推定され、研究が続けられています。

明日葉を使った青汁がダイエットによいという評価されるのは、こうした理由があるからということになります。

 

参考資料
>>『明日葉に関する研究』大阪薬科大学記要Vo7
>>NaturalLibrary『明日葉の健康力』馬場きみ江著

 

明日葉を含む健康食品の注意点:カリウム

余分なカリウムは腎臓で分解され、尿として排出されますが、腎臓に病気を抱えている方などカリウム摂取に制限がある方は、青汁の摂取については医師に相談してください。

カリウムは健康維持に必要な栄養成分ですが、身近な調味量の塩や砂糖でも大量に摂取したら、体に悪いのと同様、栄養成分のなかには、大量に摂取することで副作用が起きることもあります。

カルウムのそのひとつで、血中のカリウム濃度が急激に上昇すると、『高カリウム血症』という弊害が出ます。
現在は、明日葉の錠剤といった健康食品も出ていますが、ダイエットにいい、血糖値を抑えるからといって、多量に摂取するのは禁物です。血清カリウム濃度が上がってしまい、最悪、腎不全、不整脈、筋肉の機能マヒ、体の疼痛などが起こります。

もちろん、常軌を逸した多量摂取でなければ、問題は起きませんが、健康食品は食品なので、ちょっと大げさな例ですが、食べ物であっても、偏った栄養の摂取は、よくありません。

それがサプリであっても大量に飲むのは、よいことではありませんから、一応、念のため。

 

明日葉を原材料にした青汁の商品例

明日葉、大麦若葉、桑の葉を原材料に用いた青汁

ふるさと青汁

マイケアは、地方の名産特産を使った健康食品を、化粧品の仕入れや販売を行っている企業で、商品の品揃えやカタログ構成は、前回の記事に登場したエバーライフ同様、年齢層高め。

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マイケア ふるさと青汁

オバサンっぽい会社なので、若い方には知られていないと思いますが、ここから発売されている『ふるさと青汁』は、明日葉をメインに据えた青汁のなかでは、人気が高い商品です。

というのも、製品の主旨が明確であり、生活習慣病対策に青汁を飲みたい方のなかでも、炭水化物や芋類、菓子が好き、血糖値が気になる方にも、うれしい商品だからです。
早い話が、私にうれしい商品ということなんですが(^_^;)

ふるさと青汁

明日葉にくわえ、桑の葉を原材料に交えているのも、青汁の意図を明確にしています。
桑の葉には、食事の糖の吸収を緩やかにするという作用があり、明日葉を使った青汁に桑の葉を交えることで、より、明日葉を使った青汁の効果をアップすることができます。

また、大麦若葉をくわえ、青汁としての栄養のバランスも取り、ケールが入っていない分、飲みやすく仕上げています。

緑茶抹茶の類は入っていないものの、桑の葉をお茶にした健康食品あることからも想像がつくように、桑の葉にお茶っぽさがあるため、食事とも一緒に飲みやすい青汁になっています。

>>マイケア『ふるさと青汁』公式サイト
女性が注目するうわさの青汁!

1袋3gで、1袋127円程度(定期便なら、114円程度に落ちますが)
1日1~2袋が摂取目安とされていますから、2袋飲むと、1日250円程度

茎根も使い、手間もかかっていますから、ちょっとお高いですね。

でも、私は、めちゃくちゃ欲しくて買いました。。。
他の青汁製品と組み合わせつつ、飲んでいます。

大麦若葉と明日葉を使った青汁

サントリー 極の青汁

さて、前回、大麦若葉の記事でも登場したサントリーの『極の青汁』にも、明日葉が使われています

こちらは、大麦若葉がメインですが、明日葉も含まれた青汁の一例です。

>>サントリー公式サイト
>>サントリー公式サイト
極の青汁(30日分)極の青汁(90日分)

1袋3.3g。1袋あたり100円程度(何袋入りを買うかによっても単価がじゃっかん変動します)。
ただ、1日の摂取目安が、1袋から3袋となっており、1日分の野菜不足を補おうと思えば、3袋飲むことになりますから、300円です。

いつまでも、若々しく美貌史上主義の妹は、『美容製品だと思えば、余裕で飲める』と言っていました。
姉としては(あの子は子供がちょっと大きくなって、パートに出たけど、貯金できているのか・・・・)と不安になる発言です(^_^;)
我が家より、世帯年収が低いのですが。。。。

『ケール』、『大麦若葉』、『明日葉』の三つを使った青汁

2-5

ケールの記事でも、大麦若葉の記事でも登場した『サンスターの健康道場、粉末青汁』です。

青汁のおもな原材料となる『ケール』、『大麦若葉』、『明日葉』は、それぞれに特徴がありますから、3つとも原材料に使えば、さらに栄養バランスがよくなります。

ただ、サンスターの健康道場、粉末青汁は、食品添加物を一切使っていない野菜だけの青汁のため、味は、お茶のようにとはいきません。

 

『ケール』、『大麦若葉』、『明日葉』のほか、『ブロッコリー』、『モロヘイヤ』の5種の野菜だけが原材料
食品添加物を使っていないため、お茶みたいな味ではなく、ブロッコリーでケールの特有の苦味を抑えた青汁となっています。

ちなみに、ブロッコリーも、ケールから派生したアブラナ科の植物で、非常に栄養価が高い野菜です。
今回は、3大青汁の原材料について執筆したので、ブロッコリー、モロヘイヤなどの次点組については記述していませんが、おいおい、これら野菜のこともアップしていきたいと思います。

>>サンスター粉末青汁公式サイト
サンスター健康道場 粉末青汁

袋あたり10g、150円ですが、1日の摂取目安は1袋であり、価格的にも続けやすい青汁です。

 

蛇足:人それぞれに、向いている青汁とそうでない青汁があるから、青汁選びは難しい

青汁

連載3回目までご覧になって頂いた方のなかには『お前は、何種類の青汁を買ってるんじゃ~』と思われた方もおられると思います(*^_^*)。

これには理由があって、私は、私用の青汁だけ買っているわけではないからなんです。
『青汁選びのポイント講座(前編)』の冒頭部、旦那様の血圧200突破事件を受け、青汁を選ぶことになったのですが、ちょうどその頃、このシリーズ第2回の大麦若葉で書いた『父がサンドイッチばかり食う』という母の話を受け、母からも青汁選びを頼まれました。

そして、母から、その話を聞いた美貌史上主義の妹からも『私も青汁を飲みたいけど、何飲んだらいいのか、さっぱり分からない。私に向いているのも選んで』という依頼を受けました。

もちろん、私自身の希望も含め、それぞれに向いた青汁を選びはじめたのです。

たとえば、私の旦那様は、下痢になりやすい体質なので、お腹が緩くなってしまう人もいるマルチトール(還元麦芽糖水飴)や消化性デキストリンといった添加物を含んだ青汁は、飲み続けられません

私や妹は便秘気味なので、それらを飲んでも問題なく、両親は飲んでみなと分からないという。
私は炭水化物や甘いものが過ぎなので血糖値を気にしますが、旦那様や妹は子供の頃から炭水化物があまり好きではなく、相変わらずスレンダーで血糖値の問題は気にしません。
父は血糖値に問題はありませんが、母は血糖値を気にしています。

旦那様は何より野菜の摂取不足を補うのが第一。味は甘くなければいい。
妹は美肌美髪に興味があるし、そのためなら味にはこだわらない。
両親は自分たち年寄りでも飲みやすいことも大事などなど、個々の要望が違うのですね。

青汁選びには、ほとんど添加物しか含まれていないといった粗悪な青汁商品の問題もあるのですが、個々の体質や要望の違いでも、向いている青汁と、向いていない青汁があるため、なかなか難しい。

それで、いろいろな青汁を調査し、いろいろな商品の購入を決めたり、購入を却下したりしてきたわけです。

さて次回は、〈『ケール』、『大麦若葉』、『明日葉』、どの青汁が一番いい? 〉シリーズとして書いてきた3回の内容のまとめ記事にしたいと思います。

今は、リアルタイムで記事進行中なので、順番に書いていくほかなかったのですが、この先、青汁選びの記事を探している方が、原材料別の記事を探しやすい、まとめページを作って、そこから、自分の要望にあう、この3回の記事を参照できるページを作成します。

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